コンピュータ音の音質について
コンピュータを使うとアコースティックな音より「良い」音質が出るか,と問われると,そのような
ことはない,と言わざるをえない.なぜなら多くの場合「良い」音のイメージはこれまでの
アコースティックな音から形成されてきたため,これに近いものが良く,近くないものは良くない,
という評価になるように思う.
では,電子音,あるいは電気的な処理をした音で良い音質というものはあるのだろうか.それはある.
上のアナロジーで,真空管時代から培われてきた各種ギターアンプの音質,古典的な加算合成の
シンセサイザの音質,などやはり定着した音についてはやはり標準的なイメージがわれわれの記憶に
刻まれ,現代のソフトで実現したとき,「そっくりだ」「今一つ」などの評価となる.確立した
サウンドイメージに対する類似度.これが音質の良し悪しの一つの基準ではないか.
(Jan. 21, 2003)