アナログシンセサイザ

ここでは、 NATIVE INSTRUMENTS社 のSoundforum Synth を使用して説明します。 Soundforum Synth の設定に関する ヘルプを参照して、必要な設定を行ないましょう。

soundforumsynthe.zip を展開します。 "Soundforum Synthe Setup.exe"ができますから、 これをダブルクリックしてインストールします。

PCのキーボードは、このように鍵盤に対応しています。 Shiftキーを使うと2オクターブ上がります。

シンセサイザの基本構成

Soundforum Synth を起動すると以下の画面が現れます。 WindowsXPでは、 タイトルバーの右上の閉じるボタンは使わないようにしてください。 オシロの部分が表示されなくなった場合は、"Audio Settings..." を見直してください。

アナログシンセサイザの3大要素は、オシレータ(VCO)、フィルタ(VCF)、 アンプ(VCA)です。 さらに、エンベロープジェネレータ(EG)とローフリケンシオシレータ(LFO)によって音を 変化させます。 ここからは、それぞれの装置が一つずつあることを想定して説明していきます (実際にはVCOが2つあります)。

アナログシンセでは、音の音の高さ、音色、音量の3要 素を独立した装置で担当します。

音の高さ 音色 音量
オシレータ フィルタ アンプ

  1. オシレータで基本となる波形と音の高さを決めて音を生成
  2. フィルタで不必要な周波数成分をカットし、必要な部分を強調
  3. アンプで音量やその変化が設定
  4. 最終出力へ
この順番に信号が流れます。 また、これらの3要素は外部から (電圧によって) 制御ができます。

VCO (Voltage Controlled Oscillator)

VCOは電圧によって制御されるオシレータ(発振器)です。 VCOでは、波形を選び、音の高さを決めます。

波形の選択

標準的なアナログシンセでは、以下のように、数種類の波形 (ノコギリ波、三角波、パルス波、矩形波、サイン波、ノイズなど) が用意されています。

これらの波形をOscillatorのスイッチによって選択します。 これらの波形をもとにしてさまざまな音を作ることができます。

アナログシンセで音を作る場合には、ノコギリ波と矩形波がよく使われます。 これらの波形は倍音(高調波)を多く含んでいます。 高調波をまったく含まず、基本波だけでできているのが正弦波です。

これらの音の違いを聴いてみましょう。 基本周波数が同じでも、音が違ってきます。

正弦波 基本波のみ ポーっという音
ノコギリ波 すべての整数倍音を含む 明るい音で、さまざまな種類の音作りに適している。シンセの音色の基本。
矩形波 すべての奇数倍音だけを含む。 木管楽器などの音色に適している。 半周期の幅を変化させたものがパルス波。

音の高さの指定

もう一つの機能は、音の高さを決めることです。 オクターブ単位で大きく音を動かしたり、微妙なチューニングを行ないます。 これは、Intervalで変更します。 半音あたり1で、1オクターブでは12です。
音の高さを変化させてみましょう。

VCA (Voltage Controlled Amplifier)

順番にいくと次はフィルタ(VCF)ですが、先にVCA(アンプ)を見ましょう。 これまでの設定では、キーを押すと音がすぐに始まり、 離すとその瞬間に音が止まります。 VCAはボリューム(音量調整)だと考えるとよいでしょう。 キーを押したら音がゆっくり出始めるようにするには、 キーを押してからボリュームを少しずつ上げればよいですね。 VCAでは、このような制御を自動的に行ないます。 この制御を行なうのがエンベロープジェネレータ(EG: Envelope Generator)です。

エンベロープジェネレータAmp Envには、4つのツマミがあります。

  1. Atack Time: アタック・タイム (キーを押してから最大になるまでの時間)
  2. Decay Time: ディケイ・タイム (最大値になってからある値になるまでの時間)
  3. Sustain Level: サステイン・レベル (ある一定の値: 最大値との比率で指定)
  4. Release Time: リリース・タイム (キーを離してから無音になるまでの時間)
このツマミで設定した通りに音量が変化します。 下の図にこれらの関係を示します。

この図の例では、

  1. キーを押すと、ゆっくり音が立ち上がり
  2. 最大レベルに達したあとに徐々に下がり始めて
  3. 一定のレベルで安定
  4. キーを離すと、余韻を残して消える
という音をイメージしてください。

アタックタイムが短ければ、キーを押すとすぐに最大値になります。 逆に長ければ、ゆっくり最大値になります。 最大値になってから、ある一定値(サステインレベル)に下がるまでの時間がディケ イタイムです。 キーが押されている間はずっと維持されます。 キーを離すと、余韻を残して消えます。 無音になるまでの時間がリリースタイムです。

以下に特徴的な楽器のエンベロープの形を示します。

エンベロープをいろいろ変化させてみましょう。


VCF (Voltage Controlled Filter)

次はフィルタです。 VCFは電圧によって制御されるフィルタです。 アナログシンセでは、多くの倍音を含んだ波形がありますが、 そこから不必要な周波数成分をフィルタで取り除きます。 Filterで設定します。

フィルタには4種類ありましたが、最も多く使われるフィルタは、 ローパスフィルタ(LPF)です。 ローパスフィルタは、ある周波数(カットオフ周波数)以下の周波数の成分はそ のまま通し、それ以上の周波数成分をカットします。

カットオフ周波数を上げると明るい音になり、 下げると暗い音になります。
フィルタをいろいろ変化させてみましょう。

レゾナンス (Resonance)

フィルタでもう一つ重要なものにレゾナンス(Resonance)があります。 これはカットオフ周波数付近の倍音を強調するものです。 この値を上げていくと、キンキンした音になっていきます。


レゾナンスを変化させてみましょう。

フィルタのエンベロープ

フィルタにもエンベロープ Filter Env があります。

フィルタのエンベロープを変化させてみましょう。

エンベロープのアマウント

フィルタのエンベロープアマウント Filter の Env ツマミは、 エンベロープをどれぐらいの強さでフィルタにかけるかを決めます。

LFO (Low Frequency Oscillator)

LFOは、音の高さ、音色、音量を揺らすために用意されている 低周波発振器です。 人間の耳に聞こえる範囲より低い周波数が主に使われます。

LFOには、波形を選ぶスイッチがあります。 LFOで最もよく使われる波形は三角波です。 他には、 S+H (サンプル&ホールド)があります。 これは、乱数発生装置と考えてもいいでしょう。

また、繰り返しの速さを決めるツマミ Rateが用意されています。 モジュレーションの周期の速さを決めます。 0.1〜10Hzの範囲で指定できます。

これらの変化を、VCO、VCF、VCAに与えるために、それぞれ、Osc, Filt, Amp スイッチがあります。 与える装置によって以下の効果を出すことができます。

LFOを適用してみましょう。


いろいろ組み合わせておもしろい音を作ってみましょう。
作った音の設定は、楽器設定ファイル(.ens形式)またはスナップショット(.ssf形式)として保存しておきましょう。 そうしないとせっかく作った音がなくなっちゃいますよ。 保存方法はヘルプを参照してね。


トップページに戻る 音声の基礎へ WAV編集へ 課題ページへ