指定機 (生協から販売された IBM ThinkPad X40) において、 IBM 製 CD/CD-R/DVD マルチドライブを用い、 CD から Vine Linux 3.1 をインストールを行う方法を説明する。
インストールに用いる CD は当日配布する。 配布される CD は 通常の FTP 版のインストールメディアをベースに、 本学科向けにカスタマイズを行ったものである。 再インストールの際などに必要になるので、 大切に保管すること。
なお、ここでは初期状態 (購入した直後の状態) の PC に Vine Linux 3.1 をインストールするときの手順を示している。 個人の設定によってはこれと若干異なるメッセージが表示される場合があるが、 基本的にはここで示すような設定でインストールを行ってほしい。
Vine Linux インストール CD からの起動
いったん PC の電源を OFF にする。CD ドライブを接続しておく。また、マウス等の外付け機器は接続しないでおく。
配布された Vine Linux の CD をドライブにセットし、CD から起動する。 指定機を CD から起動するには、「IBM」と表示される起動画面が表示されたところで素早く F12 キーを押す。すると起動デバイスの選択画面となるので、 CD を選択する。
下図のような画面が表示されたら Enter キーを押し、 インストーラを起動する。
しばらくすると下図のような画面が表示され、インストールのための設定を行っていく。Japaneseを指定し、OK を押す。
数十秒経過してもこの画面が表示されずに 青いテキストベースの画面や黒い画面のままであったり、 再起動を繰り返してしまう場合、 一旦電源を切りインストールをやり直してみる。 インストール開始画面 (ステップ 1 の Vine Linux と表示されるテキスト画面) で boot: と表示されたのに続いて、 textと入力しテキストモードでのインストールを行う。
通常の日本語配列のキーボードの場合次のように設定し、 画面右下のボタン「次」を押す。
Linux では X Window System という GUI を使用する。 X でのマウス等のポインティングデバイスの設定を行う。指定機種では次のように設定する。
指定機以外の場合、機種により 2 ボタンのものと 3 ボタンのものがある。 ホイール上のボタンを含めて 3 ボタンとして機能する場合や、 見掛けは 3 ボタンでも 2 ボタンとしてしか動作しない場合がある。 間違って設定してしまっても後で変更が可能なので、 ここでは当てずっぽうで良い。
図のような画面が表示され、さらにインストールのための設定を行っていく。
インストール方法として、新規でインストールするか、すでにインストール済みの旧版の Vine Linux をアップグレードするか等の選択を行う。
ここでは、 インストール → フルインストールを選択する。
指定機にはあらかじめ Linux 用の空き領域が用意されているので、 インストーラが自動的にパーティション設定を行う を選択する。
パーティションをどのように使用するかを設定する。ここでは すべてのパーティションを保持し、既存の空き領域を使用 を選択する。
自動設定されたパーティション構成を確認する。
Linux で用いるファイルシステムは、主に「ext3」と「swap」の2種類である。 ext3は通常のファイルを格納するために用い、 swapは仮想メモリと呼ばれるディスクの一部を主記憶領域 (メモリ) として使う仕組みで用いる一時的な記憶領域である。
Linux では Windows のようにドライブという概念はなく、 全てのファイルを一つの階層構造の中で扱う。 パーティションを階層構造の一部に組み込み、 利用できるようにすることを「マウント」と呼ぶ。 「マウントポイント」とは、パーティションと階層の対応づけを示したものである。 また、階層構造の最上位を「 / (ルート) 」と呼ぶ。
指定機の場合、次のように自動的に設定される。 念のため、パーティションの設定が次のようになっていることを確認しておこう。
指定機の場合、さらに追加で設定が必要である。 /dev/hda2 (/boot の領域) を選択し「編集」 を押す。
指定機以外の場合、あらかじめ用意したハードディスクの空き部分に、 タイプ「ext3」の/bootの領域(50MB以上)、タイプ「ext3」の/の領域(6000MB以上)、 タイプ「swap」の領域(500MB以上)の3つのパーティションを作成する必要がある。 これらは基本区画でも拡張区画でも良い。 機種によっては手動で設定する必要が生じるかも知れない。 指定機以外の人はこの段階の設定が 正しいかスタッフに確認を受けること。
なお、途中「警告: ブートパーティション/bootはこのアーキテクチャではブートに適していません。」というメッセージが表示されることがある。 が、現在の Vine Linux では特にブートの問題は確認されていないので 「とにかく追加」を押す。
以下の設定は指定機のみで行う作業である。
/dev/hda2 (/boot の領域) を選択し「編集」 を押すと、ファイルシステムの設定画面が表示される。 「追加容量オプション」の「可能な最大容量まで拡大」と、 「第一パーティションとして強制指定」を選択し、「OK」を押す
内容を確認し「OK」を押す。
指定機の場合、次のようになっているはずである。
PC の電源を入れたときに、 ディスクから OS を読み込み動作させるソフトウェアを「ブートローダ」と呼ぶ。 ここでは、Linux 用のブートローダ「LILO」を用い Linux を起動する設定を行う。 なお、 Windows と Linux の起動選択は Windows 側のブートローダ (NTLDR) で行う。
具体的には次のように設定する。
「LBA32 の使用を強制」を選択した場合、 「…LBA32モードを強制し、続けますか?」というメッセージが出るので、 「はい」を押す。
この画面は指定機では表示されないので、ここは飛ばして次に進む。
ネットワークインタフェースの IP アドレス等の設定を行う。
実験室や学内の情報コンセントには、 DHCP と呼ばれるネットワークに関する設定を 自動的に行う仕組みが備わっているので、 「DHCPを使用して設定」と 「起動時にアクティブにする」を選択する。
タブ「場所」の「アジア/東京」を選択する。
Linux では、 コンピュータを管理するための特別な権限を持つユーザを「root (ルート) 」と呼ぶ。 これは Windows での Administrator に相当する。また、 root を「スーパユーザ」と呼び、 一般ユーザと区別する。 ここでは root のパスワードを設定する。
画面上部の「root のパスワード」と「確認」にパスワードを入力する。 入力欄下に「root パスワード確定」と表示されれば正しくパスワードが設定される。
なお、「このシステムに追加する他のユーザのアカウント」はここでは作成せず、 後に行う。
Linux では X Window System という GUI システムを使用する。 X の設定のためにビデオカードを指定する。
多くの機種では、ビデオカードは自動認識される。
しかし、指定機種では設定の変更が必要である。 「ビデオカード RAM 」に「 8 MB 」を選ぶ。
指定機以外でビデオカードが自動的に選択されない場合、 あらかじめ調べておいたディスプレイアダプタ (またはそれに近いモデル) を選択する。
インストールの準備が完了した。
インストールが行われる。これには 20 分程度要する。
この PC のモニタ (ディスプレイ) を選択する。
指定機を含め、通常の XGA (1024ドット×768ドットの表示画面) のノート PC の場合は、 「汎用」→「LCD Display Panel 1024x768」を選択する。
X における表示色数と解像度の設定を行う。
ここでは「色深度」を「True Color (24bit)」に、 「画面の解像度」を「1024x768」に設定する。
また「ログインの種類」を「グラフィカル」に設定する。
インストールが完了したが、設定すべきことはまだ残っている。
再起動の際に、インストールに用いた CD は一旦取り出しておく。