推奨機 (生協から販売された IBM ThinkPad X40) において、 IBM 製 CD/CD-R/DVD マルチドライブを用い、 CD から Vine Linux 2.6r4 をインストールを行う方法を説明する。
インストールに用いる CD は当日配布する。 配布される CD は 通常の FTP 版のインストールメディアをベースに、 本学科向けにカスタマイズを行ったものである。 再インストールの際などに必要になるので、 大切に保管すること。
なお、ここでは初期状態 (購入した直後の状態) の推奨機種に Vine Linux 2.6r4 をインストールするときの手順を示している。 個人の設定によってはこれと若干異なるメッセージが表示される場合があるが、 基本的にはここで示すような設定でインストールを行ってほしい。
Vine Linux インストール CD からの起動
いったん PC の電源を OFF にする。CD ドライブを接続しておく。また、マウス等の外付け機器は接続しないでおく。
配布された Vine Linux 2.6r4 の CD をドライブにセットし、CD から起動する。 推奨機を CD から起動するには、「IBM」の起動画面が表示されたところで素早く F12 キーを押す。すると起動デバイスの選択画面となるので、 CD を選択する。
上図のような画面が表示されたら Enter キーを押し、 インストーラを起動する。
上図のような画面が表示されインストールのための設定を行っていく。上下の矢印キーでJapaneseを指定し、 Tab キーで OK を選択し、Enter キーを押す。
すると、数十秒以内に次のステップ 3 「キーボードの設定」のような、 グラフィカルな設定画面になるはずである。 ところが、数十秒経過後も、 前のステップのような青いテキストベースの画面や黒い画面のままであった場合、 一旦電源を切りインストールをやり直してみる。 インストール開始画面 (ステップ 1 の Vine Linux と表示されるテキスト画面) で boot: と表示されたのに続いて、 lowres と入力しEnter キーを押し、 低解像度モードでのインストールを試みる。 さらに、それでもだめな場合、textと入力し、 テキストモードでのインストールを行う。
通常の日本語配列のキーボードの場合次のように設定し、 画面右下のボタン「次」を押す。
Linux では X Window System という GUI を使用する。 X でのマウス等のポインティングデバイスの設定を行う。 推奨機種では次のように設定する。
推奨機以外の場合、機種により 2 ボタンのものと 3 ボタンのものがある。 ホイール上のボタンを含めて 3 ボタンとして機能する場合や、 見掛けは 3 ボタンでも 2 ボタンとしてしか動作しない場合がある。 間違って設定してしまっても後で変更が可能なので、 ここでは当てずっぽうで良い。
上図のような画面が表示され、さらにインストールのための設定を行っていく。
インストール方法として、新規でインストールするか、すでにインストール済みの旧版の Vine Linux をアップグレードするか等の選択を行う。
ここでは、 インストール → フルインストールを選択する。
推奨機にはあらかじめ Linux 用の空き領域が用意されているので、インストーラが自動的にパーティション設定を行う を選択する。
パーティションをどのように使用するかを設定する。ここでは すべてのパーティションを保持し、既存の空き領域を使用 を選択する。
自動設定されたパーティション構成を確認する。
Linux で用いるファイルシステムは、主に「ext3」と「swap」の2種類である。 ext3は通常のファイルを格納するために用い、 swapは仮想メモリと呼ばれるディスクの一部を主記憶領域 (メモリ) として使う仕組みで用いる一時的な記憶領域である。
Linux では Windows のようにドライブという概念はなく、 全てのファイルを一つの階層構造の中で扱う。 パーティションを階層構造の一部に組み込み、 利用できるようにすることを「マウント」と呼ぶ。 「マウントポイント」とは、パーティションと階層の対応づけを示したものである。 また、階層構造の最上位を「 / (ルート) 」と呼ぶ。
推奨機の場合、自動的に設定される内容のままで良いはずである。 念のため、パーティションの設定が次のようになっていることを確認しておこう。 推奨機以外の場合、手動で設定する必要が生じるかも知れないが、 大体次の方針でパーティションの設定を行ってほしい。
なお、途中「警告: ブートパーティション/bootはこのアーキテクチャではブートに適していません。」というメッセージが表示されることがある。 が、Vine Linux 2.6r4 では特にブートの問題は確認されていないので 「とにかく追加」を押す。
PC の電源を入れたときに、 ディスクから OS を読み込み動作させるソフトウェアを「ブートローダ」と呼ぶ。 ここでは、Linux 用のブートローダ「LILO」を用い Linux を起動する設定を行う。 なお、 Windows と Linux の起動選択は Windows 側のブートローダ (NTLDR) で行う。
具体的には次のように設定する。
この画面は推奨機では表示されないので、ここは飛ばして次に進む。
ネットワークインタフェースの IP アドレス等の設定を行う。
実験室や学内の情報コンセントには、 DHCP と呼ばれるネットワークに関する設定を 自動的に行う仕組みが備わっているので、 「DHCPを使用して設定」と 「起動時にアクティブにする」を選択する。
「Japanese」を選択する (通常はすでに選択された状態のはず) 。
タブ「場所」の「アジア/東京」を選択する。
Linux では、 コンピュータを管理するための特別な権限を持つユーザを「root (ルート) 」と呼ぶ。 これは Windows での Administrator に相当する。また、 root を「スーパユーザ」と呼び、 一般ユーザと区別する。 ここでは root のパスワードを設定する。
画面上部の「root のパスワード」と「確認」にパスワードを入力する。 入力欄下に「root パスワード確定」と表示されれば正しくパスワードが設定される。
なお、「このシステムに追加する他のユーザのアカウント」はここでは作成せず、 後に行う。
Linux では X Window System という GUI システムを使用する。 X の設定のためにビデオカードを指定する。
多くの機種では、ビデオカードは自動認識される。
しかし、推奨機種ではビデオカードが自動認識されないため手動で設定を行う必要がある。 まず、「Intel」→ 「Intel 845」を選択し、 次に、「ビデオカード RAM 」は「 8 MB 」を選ぶ。
推奨機以外でも、ビデオカードに Intel のチップセット内蔵グラフィックスアダプタを採用している機種は、 自動認識がうまく働かない場合が多いので、 上記のような設定が必要となる。
このように、ビデオカードが自動的に選択されない場合、 あらかじめ調べておいたディスプレイアダプタ (またはそれに近いモデル) を選択する。
インストールの準備が完了した。
インストールが行われる。これには 20 分程度要する。
トラブル等で内蔵のディスクから Linux が起動しなくなった場合に用いる、 緊急用の起動フロッピディスクを作成することができる。
が、推奨機ではフロッピディスクは使わないことになっているので、 「ブートディスクの作成を省略」 をチェックし、ディスクの作成を省略する。
フロッピディスクドライブがある機種の人は、 万一の場合に備えて起動ディスクを作成しておくと良い。
この PC のモニタ (ディスプレイ) を選択する。
推奨機種を含め、通常の XGA (1024ドット×768ドットの表示画面) のノート PC の場合は、 「汎用」→「Generic
Laptop Display Panel 1024x768」を選択する。
X における表示色数と解像度の設定を行う。
ここでは「色深度」を「True Color (24bit)」に、 「画面の解像度」を「1024x768」に設定する。
また「ログインの種類」を「グラフィカル」に設定する。
インストールが完了したが、設定すべきことはまだ残っている。
再起動の際に、インストールに用いた一旦 CD は取り出しておく。