PC の CD ドライブから Vine Linux の CD が起動できない場合、 ネットワーク上のサーバからファイルをダウンロードしながらインストールを行うことを試みる。
なお、ここでは一般的なノート PC に Vine Linux 2.6r1 をインストールする手順について説明している。 機種によってはこれと異なるメッセージが表示される場合があるが、 基本的にはここで示すような設定でインストールを行ってほしい。
ネットワークインストールを行うための起動ディスクを、 以下の手順に従い作成する。
Windows を起動し、 適当な一時作業用フォルダを作成し次の 3 つのファイルをダウンロードする。
ファイルをダウンロードしたフォルダを開き、 「mkfdnet.bat」をダブルクリックして起動する。 すると、フロッピディスクをセットするように促すメッセージ (英語) が表示されるので、 フォーマット済の未使用のフロッピをドライブにセットし、 Enter キーを押すとフロッピに書き込みが始まる。
再起動し、先ほど作成した起動フロッピから起動する。 上図のような画面が表示されるので Enter キーを押し起動する。
使用する言語を指定する。
ここでは Japaneseを指定する。
なお、ここからのインストール画面では Tab で 項目間を移動し、スペースあるいは Enter で項目の要素を選択する。マウスは使用できない。
通常の日本語配列のキーボードであれば、 jp106を選択する。
サーバからファイルを取得する際に、 どのアクセス手段を用いるか指定する。
ここでは、HTTPを指定する。
この PC の IP アドレス等のネットワークの設定を行う。
実験室には DHCP というネットワークの設定を自動で行う仕組みが備わっているので、 動的 IP 設定を使用する (BOOTP/DHCP)
を選択する。
自宅等別の場所で作業を行う場合、その環境に合わせた設定を行ってほしい。
ファイルを取得するサーバ名、ディレクトリ名を指定する。
ここでは次のように指定する。
マウスのモデル、ボタン数を設定する。
通常のノート PC 内蔵のポインティングデバイスの場合 Generic - 2 Button Mouse (PS/2)
または、 Generic - 3 Button Mouse (PS/2) である。 これは後から変えられるので、今は当てずっぽうで設定しておいて構わない。
「Generic - 2 Button Mouse (PS/2)」を選択した場合、 3ボタンマウスをエミュレートしますか? を選択しておく。
OKを押し次へ進もう。
すべてを選択する。
Partition Magic により Linux の領域を作成済みであり、これを手動で設定するので、 Disk Druid を選択する。
Partition Magic で作成したパーティションをどのように使用するかを設定する。
Linux で用いるファイルシステムは、主に「ext3」と「swap」の2種類である。 ext3は通常のファイルを格納するために用い、 swapは仮想メモリと呼ばれるディスクの一部を主記憶領域 (メモリ) として使う仕組みで用いる一時的な記憶領域である。
Linux では Windows のようにドライブという概念はなく、 全てのファイルを一つの階層構造の中で扱う。 パーティションを階層構造の一部に組み込み、 利用できるようにすることを「マウント」と呼ぶ。 「マウントポイント」とは、パーティションと階層の対応づけを示したものである。 また、階層構造の最上位を「 / (ルート) 」と呼ぶ。
ここでは、Partition Magic で作成した約 2500MB の ext3 の領域を 初期化 し、 / にマウントするように設定する。 また、約 500MB のswap の領域を利用できるようにする。
具体的には、画面下半分のパーティションの一覧表から タイプが「ext3」となっている行を選択し、 ボタン「編集」を押す。
次に現れたダイアログに対し、 「マウントポイント:」に「/」と入力し、 ボタン「ファイルシステムオプション」を押す。
「ファイルシステムタイプ」を選択する。 その右が「ext3」となっていること、 「不良ブロックをチェック」が選択されていないことを確認し、 OK を押す。
先ほどの「パーティション追加」の画面にもどるので、 OK を押し次に進む。
「ブートパーティション / はこのアキーテクチャでのブートに適していません」 という警告メッセージが出力されることがあるが、 Vine Linux では問題なくブートできるので、 「とにかく追加」を押す。
設定が完了すると、先ほどのパーティション設定の画面に戻る。
OKを押して次に進もう。
データが消去され、フォーマット (初期化) を行うパーティションが一覧表示され、 確認を求められる。
フォーマットされるのは ext3 と swap のパーティションのみで、 他のパーティションが含まれていないことを確認しておこう。
もし、 ext3, swap 以外のパーティションが含まれてしまった場合、 「いいえ」を押して元の画面に戻ることができる。
PC の電源を入れたときに、 ディスクから OS を読み込み動作させるソフトウェアを「ブートローダ」と呼ぶ。 ここでは、Linux 用のブートローダ「LILO」を用い Linux を起動する設定を行う。 なお、 Windows と Linux の起動選択は Windows 側のブートローダ (NTLDR) で行う。
ここでは、LILOを使用 を選択する。
ブートレコードを書き込む場所を選択する。
ここでは、/dev/hda3 ブートパーティションの最初のセクタを選択する。
次にブートローダのパラメータ設定を行う。
ここでは、カーネルパラメータは空欄のままにし、 LBA32 の使用を強制 は選択しないでおく。
起動時に表示されるメニュー項目の編集を行う。
Windows と Linux の起動選択は Windows 側のブートローダ (NTLDR) で行うので、ここでは何も設定せず OK を押す。
Japanese が選択された状態なので、このまま OK を押す。
アジア/東京 を選択する。
Linux では、 コンピュータを管理するための特別な権限を持つユーザを「root (ルート) 」と呼ぶ。 これは Windows での Administrator に相当する。また、 root を「スーパユーザ」と呼び、 一般ユーザと区別する。 ここでは root のパスワードを設定する。
「root のパスワード」と「再入力」にパスワードを入力する。
ここではユーザは追加せず後に行うので、なにも入力せず OK を押す。
「GNOME」と「NotePC」の双方を選択する。
Linux では X Window System という GUI システムを使用する。 X の設定のためにビデオカードを指定する。
ほとんどの場合、ビデオカードは自動的に選択されるので、そのまま OK を押す。
OK を押してインストールを開始しよう。
インストールには約 20 分程度要する。
ネットワークやサーバの混雑状況によっては、さらに多くの時間を要することがある。
トラブル等で内蔵のディスクから Linux が起動しなくなった場合に用いる緊急用起動ディスクを作成する。
フォーマット済のフロッピディスク 1 枚を用意し、指示に従いディスクを作成する。
この PC のモニタ (ディスプレイ) を選択する。
通常の XGA (1024ドット×768ドットの表示画面) のノート PC の場合は、 Generic Laptop Display
Panel 1024x768を選択する。
X における表示色数と解像度の設定を行う。
ここでは「色深度」をTrue Colorに、 「解像度」を1024x768に設定する。
また「ログインの種類」を「グラフィカル」に設定する。
インストールが完了した。再起動しよう。
その際に、フロッピディスクは取り出しておこう。
<<「Vine Linux インストール」へ戻る