1 台の PC に複数の OS をインストールして使用するためには、 ハードディスクを複数の領域に分割する必要がある。 この領域のことを「パーティション」や「区画」と呼ぶ。
Windows 上では、 1 つのパーティションは 1 つのドライブと対応している。 Windows 用パーティションの形式は FAT, NTFS などである。 また Linux 用パーティションは ext2 や ext3 と呼ばれる形式である。
ハードディスク全体が Windows 用のパーティションになっている PC に Linux をインストールするためには、Windows 用パーティションの大きさを 変更し、新たなパーティションを作成する必要がある。
パーティションを分ける方法には、いったん Windows を削除し再インストールする際に複数のパーティションを作成する方法と、 すでにあるパーティションの大きさを変更する特別なツールを使う方法がある。 今回は Partition Magic というツールを用い、後者の方法で行う。
あらかじめ用意された空き容量のあるドライブに対して、 Partition Magic を用い、 Linux をインストールするためのパーティションを作成する。
緊急ディスクの作成のため、フロッピディスク 3 枚を用意しフォーマットしておくこと。
PC の起動の前に、フロッピディスクドライブを接続しておく。Linux 用パーティションの作成のため、 ディスク上に 5GB 以上の空きが必要である。
PartitionMagic は有償のソフトウェアであり、 本実験室が情報メディア学科の学生の必要数分のライセンスを 購入したものである。 このため、インストールに先だち使用許諾を一読し合意する必要がある。 特に、 他の PC にインストールしたり、 個人での使用の範囲外での複製や再配布することは禁じられている。
当日の指示に従い、PartitionMagic のアーカイブを展開し、
setup.exeを起動しインストールを行う。 インストール時に聞かれる各設定は標準のままで良い。
「スタート」→「すべてのプログラム」→「PowerQuest PartitionMagic 8.0」→ 「Partition Magic 8.0」で起動する。
他のアプリケーションを動作させないこと。
各部分の説明:
- 左側: ディスクに対する操作一覧
- 右上: ディスク内のパーティションの構成図
- 右下: パーティションの詳細情報
上部メニューバーの「ツール」→「緊急ディスクの作成」を選択し、 画面の指示に従い緊急用ディスクを作成する。 トラブルの際に必要になるので保管しておくこと。
Windows のパーティションの大きさを変更し、 新たに Linux 用のパーティションを作成する。 すでにある Windows のデータを破壊する可能性があるので、 操作は慎重に行うこと。
- 新しい OS のインストールウィザードの開始
左側の「タスクの選択...」の「新規 OS のインストール」を選択し、 「新しいオペレーティングシステムのインストールウィザード」を開始する。
- オペレーティングシステムの選択
インストールするオペレーティングシステムに「Linux」を選択する。
- 新しいパーティションを作成する位置の指定
ディスク上のどの位置に Linux 用のパーティションを作成するかを指定する。
- PC に C ドライブのみがある場合: 「C: の後ろ」を指定
- PC に C ドライブと D ドライブがある場合: 「C: の後ろで D: の前」を指定
- どのパーティションから領域を取得しますか?
どのパーティションを小さくし、 Linux 用のパーティションを作成するのかを指定する。
ここでは、あらかじめ用意してある 5GB 以上の空き容量のあるドライブ (パーティション) を指定する。
- パーティションのプロパティ
次のように設定する。
- サイズ: 5000MB 以上
- ラベル: LINUX
- パーティション種別: 基本(推奨)
- ファイルシステムの種別: ext3
- パーティションをアクティブに設定
Linux パーティションをアクティブにするかどうかを選択する。
アクティブにする設定は、後の VineLinux のインストール時に行うので、 「後で」を選択する。
- 選択の確認
これまでの操作が正しければ、 C ドライブの後に Linux パーティションが作成されている。 同時に、空き容量を用意しておいたドライブ (パーティション) のサイズが小さくなっている。
これらのことを確認し「完了」ボタンを押す。
- Linux Swap パーティションを作成しますか?
Linux は仮想メモリと呼ばれる、 ディスクの一部をメインメモリのように使うことができる機能を持っている。 このディスク領域を Swap と呼ぶ。
ここでは「はい」を選択する。
- 作成する場所
Swap パーティションを作成する場所を選択する。
ここでは、「C の後ろで *:LINUX の前」を選択する。
- どのパーティションから領域を取得しますか?
Swap パーティションの容量を、どのパーティションから確保するかを指定する。
ここでは、先ほど作成した「*:LINUX」のみを指定し、 他は指定しないでおく。
- パーティションのプロパティ
次のように指定する。
- サイズ: 500MB
- (他の項目は変更できない)
- 選択の確認
これまでの操作が正しければ、 C ドライブの後に Linux Swap パーティション、 その後に Linux パーティションが作成されている。 さらに D ドライブがある場合、 その後に D ドライブ用のパーティションがあるはずである。
これらのことを確認し「完了」ボタンを押す。
- 適用
ここまでで、新しいパーティションを作成するための準備が整った。 もう一度、ディスクの状態を確認してみる。
ディスクの先頭から C ドライブ用パーティションがあり、 次に Linux Swap, Linux が順にある。 D ドライブがある場合、 さらにその後に D ドライブ用のパーティションがある。
C ドライブがアクティブになっている。
C ドライブ、 Linux Swap 、 Linux の各パーティションは基本区画であり、 D ドライブがある場合、 D ドライブは基本区画または論理区画になっている。
Linux Swap の容量は約 500MB 、 Linux の容量は約 4500MB 以上である。
ここまでの操作で不明なことや不安なことがある場合、スタッフに申し出ること。 誤ったまま進めると、 Windows のデータを全て失う恐れがある。
以上のことを確認し、左下の「適用」ボタンを押す。
- 変更の適用
「はい」を押す。
- 処理状況
進行状況が表示される。 ディスクの使用状況によるが、この作業には 10 分間〜 30 分間要する。
なお、起動ドライブに対する操作を行う際に再起動を促されることがあるので、 指示に従い再起動を行う。 再起動時にパーティションの変更が行われる場合、 ここで示すような画面は表示されず、起動時に進行状況が表示される。 処理中に、誤って何かキーを押してしまうと処理が中止されてしまうので、 キーボードには触らないこと。
- 全ての操作が完了
パーティションの作成が完了すると「全ての操作が完了しました」 というメッセージが表示される。
なお、処理の途中で再起動が行われた場合、この画面は表示されない。
- 再起動
処理中に一度も再起動を促されなかった場合、 ここで PartitionMagic を終了し、さらに Windows を再起動してみる。 再起動後 C, D の各ドライブが正常に存在することを確認する。
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